深夜まで残業する男性サラリーマン

【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。

「健康のために毎日運動したほうがいいのか?」という疑問はかなりの人が思っていることかもしれません。

ここで参考になるのはWHO(世界保健機関)の基準です。

18歳以上の人の健康のためにWHOは、『週に150~300分の中強度運動(早歩きや軽いサイクリングなど)、または75~150分の高強度運動(ランニングや水泳など)、あるいはその組み合わせ』を推奨しています。

ここでいう中強度運動とは、「隣の人と話せるくらいの息が上がる運動」のことです。

つまり、早歩き程度の運動を

「毎日なら20分」
「週5日なら30分」
「週3日なら50分」

というのが、冒頭の質問に対する答えになります。

しかしWHOがもっと問題視しているのは「座り過ぎ」です。
じつ「座り過ぎ」は「運動しない」ことよりも健康被害が大きいことが分かっています。

なぜ「運動」よりも「座り過ぎ」の方が身体への影響が大きいのでしょうか?

この記事では、皆さんが知らない「座り過ぎ」の健康被害とその解消法をお伝えします。
デスクワークが多い方、ご自宅で仕事をされている方はぜひ続きをお読みください。

 

「座り過ぎ」の問題とは?

机に座りノートパソコンで作業する男性サラリーマン

総務省の労働力調査や統計データによると、日本でデスクワーク中心の仕事をされている人は約1,400万〜1,420万人(総就業者数の約2割)。

私のように立ち仕事と座り仕事が半々の人を含めるともっと人数は多いかもしれません。
そもそも「座る」という習慣がない人はいないので、日本全体でとも言えます。

しかし、多くの研究で「座り過ぎ」が心血管疾患などに悪影響があり、死亡率を上げることがわかっています。

公益財団法人 明治安田厚生事業団 -「座りすぎ」はカラダにもココロにも悪い?
https://www.my-zaidan.or.jp/health-watch/detail.php?id=8b7291470c66660f7d75299914329125&tmp=1563931216

詳細な理由は不明ですが、「長時間座る」ことで筋肉の代謝や血行が低下し、肥満、糖尿病、がん、脳血管疾患、認知症などの疾患を引き起こす可能性が指摘されています。

活動量の減少は筋肉量や骨密度の減少にもつながるので、たかが「座り過ぎ」と甘く見てはいけません。

1日8時間以上座っている人は、3時間未満の人と比べて、死亡リスクが1.2倍になるという研究結果もあります。

オーストラリアの調査では、日本人が平日に座っている時間が1日平均7時間であることがわかりました。
これは世界20カ国の中でも最も長く座っている時間です。

日本は気質的にまじめな人が多いので、一度仕事に取り掛かると集中してしまうのかもしれません。

 

「座り過ぎ」はメンタルヘルスにも影響がある

HELPマークをもつ男性

座りすぎは体の健康だけではなく、心(メンタル)にも悪影響を与えます。

上記の同調査によると、1日12時間以上座っていると、6時間未満と比べてメンタルヘルスの悪い人が約3倍も多いことがわかっています。

また、横浜市立大学医学部と国立健康危機管理研究機構の共同研究によると、座って仕事をする人と比べて、仕事中に体をよく動かす人は精神疾患のリスクが半減していました。

少しの運動でも「心の病による長期休業」リスク低下 —仕事でよく体を動かす人もリスク低下—
https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/2026/20260904kuwahara.html

「座り過ぎ」がメンタルヘルスにも影響があるのは、呼吸機能と脳の機能の低下が原因と考えられます

座位姿勢を長時間続けると姿勢が悪くなりますが、それは呼吸にも影響します。

外出自粛期間は呼吸のトレーニングも必要です①

深い呼吸は自律神経のバランスを整え、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を抑えますが、姿勢が悪くなると横隔膜や肋間筋など呼吸筋の働きが悪くなるため、深呼吸がしづらくなるのです。

また、長時間の座位姿勢で血流が悪化すると脳の働きにも影響がでます。
やる気や意欲を引き出す神経伝達物質「ドーパミン」は脳の視床下部で作られるため、血流が悪化すると気分にも悪影響がでます。

身体を動かさないことは、心身ともにダメージが大きいというのは決して言い過ぎではありません。

 

バランスボールでも座り過ぎない方がよい

バランスボールに座る人の下半身

では、バランスボールに座るのはどうなのでしょうか?

今ではオフィスの椅子がわりにも使われているバランスボールですが、本来は治療用のツールです。
1960年代に神経系に障害のある子ども達の治療用具として利用され始め、その後、スポーツ選手のリハビリやコンディションニングとして取り入れられるようになりました。

痛みの改善や筋力・バランス力向上のためのツールとしても使われていますが、そもそも長時間座るために設計されていません。
ボールの上でバランスを取ることで一時的に姿勢は改善しますが、長い時間座っていると少しずつ背中は丸くなります。

また、骨盤底筋トレーニングの際は5分以上バランスボールに座ることが推奨されていません。
というのは、骨盤底筋が伸長することで尿失禁が誘発される可能性があるからです(もちろん、正しく使えば尿失禁を効果的に予防できます)。

バランスボールはあくまで「トレーニング」のために使いましょう。

 

30分に一度の運動で「座り過ぎ」を帳消しにしよう

イスの背もたれに摑まり足をストレッチする女性

長時間の座位姿勢が心身ともに悪影響を与えることがわかったところで、その解決法を考えていきます。

毎日1時間運動をすれば、長時間座っていてもその悪影響をやや緩和できることがわかっていますが、あまり現実的ではありません。

実際にはそれ以外の方法を選択する必要があります。

そこで知っておきたいのが【エクササイズスナック】という考え方です。

これは「1回あたり1〜5分程度の短い運動を複数回に分けて行う」ことをいい、まさしく間食(スナック)をつまむような感覚で行えることからこの名称がつきました。

明治安田厚生事業団の調査によると「30分に1度立ち上がり、軽く運動する」ことを習慣にすれば、座りすぎの悪影響をかなり緩和できる可能性があることがわかっています。

せっかくなので、30分に1度立ち上がった時にこの【エクササイズスナック】を行いましょう。

 

『座り過ぎ』の健康被害を減らす「一石四鳥のスクワット」を紹介します

バンザイスクワット(踵を上げて)の画像

私のおススメはやはりというか、もちろんというか定番の「スクワット」です。

長時間座ることのマイナス面は筋肉量の減少や血流の低下、骨密度の減少などがあり、その全てをカバーできる運動はやはり「筋トレ」ということになります。

筋肉の7割は下半身に集中していて、とくにふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるように全身への血流を促進させる大事な組織です。

また、運動で筋肉を収縮させて骨に刺激を与えることで骨密度は上がります。

以上の3つを踏まえると、「スクワット」が座り過ぎの健康被害を防ぐ一つの方法になりえる可能性があります。

そこで今回は『バンザイスクワット』を紹介します。

①肩幅に足を開き、両手をおろす
②お尻を膝の位置までおろす
③立ち上がる時につま先立ちをしながらバンザイをする
③両手をおろしながらお尻を膝の位置までおろす

このエクササイズの特徴は4つの効果があることです。

立ち上がる時にかかとを上げることでふくらはぎが強く収縮し、血流が促されます。
また、腕を上げると重力に逆らって血液を流す必要があるので、心臓のポンプ機能がより強く働きます。

もちろん下半身の筋肉を全体的に鍛えるので、骨密度も上げられます。
そして、つま先立ちになることでバランス感覚が身に付き、転倒予防にもなります。

さらに規則的な運動は幸せホルモンである「セロトニン」の分泌を促すので、脳の疲労や集中力の低下でお困りの方にもおすすめです。

デスクワーク時間が長い方は「一石四鳥」のトレーニングにぜひチャレンジしてみてください。

筋肉をつけるトレーニングではないので、セット数を気にする必要はありません。
30分に1度立ち上がり、10回を目安に行ってみましょう。

頭も身体もスッキリしてくるはずです。

スクワットは「万能薬」というお話でした😌