【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。
緊急事態宣言が発令されてからはや二週間が経ちました。
2020年4月の時と同じく運動不足を感じている方は多いのではないでしょうか。
実は前回の外出自粛期間(2020年4月~6月)明けに気づいたことが一つあります。
それは「息が上がりやすくなった」「呼吸がしづらくなった」など、呼吸の問題についてお話しされる人が増えたことです。
「体力が落ちた」という話ならまだしも、なぜ呼吸に問題が出てきたのでしょうか?
この記事では、「外出自粛で呼吸に問題が出る原因」について解説します。
呼吸のメカニズム
そもそも呼吸の際、私たちの身体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか?
呼吸のメカニズムに関わる筋肉は「横隔膜」と「肋間筋(外肋間筋・内肋間筋)」。
「横隔膜」は胸郭(肋骨と胸骨)の内側についていいるドーム状の筋肉。
そして「肋間筋」は肋骨と肋骨の間についている小さな筋肉です。
これらの筋肉は呼吸時にこのように働きます。
A.息を吸うとき
①横隔膜が収縮し、胸郭を広げながら下降していく
②横隔膜が下がり続けると内蔵が壁となり、肋骨を引き上げる動作に変わる
③②と同時に外肋間筋が収縮し、肋骨を引き上げる動作を補助する
④横隔膜が下がり、肋骨が引き上がることで胸腔の容積が増えて肺に空気が入る
B.息を吐くとき
①内肋間筋が収縮して横隔膜・外肋間筋が弛緩、肋骨の位置が下がる
②横隔膜が上がることで胸腔の容積が減少し、肺から空気が出ていく
姿勢が悪いと呼吸がしづらくなる
呼吸がしづらい原因の一つに「姿勢」があります。
姿勢が悪くなると、肩こり・腰痛・首痛など身体に痛みが出てくることはご存知だと思いますが、実は呼吸にも悪影響がでます。
イラストのように肩が前に出て背中が丸くなる「円背」の状態では、横隔膜や肋間筋が正しい動きをすることができず、肋骨を上に引き上げるのが難しくなります。
なので、椅子に座りがちな生活が続いている方は「呼吸がしづらい」と感じるのです。
また、胸鎖乳突筋・前中後斜角筋・大胸筋・小胸筋・前鋸筋・広背筋など呼吸を補助する首や肩回りの筋肉の長さが変わるため、より呼吸がしづらくなってしまいます。
活動量が減ると息が上がりやすくなる
一方「息が上がりやすく」なったのは、外出自粛で活動量が減ったことが原因と考えられます。
「歩く」という動作に関係するのは下半身の筋肉と心肺機能。
体を使わないとその機能は徐々に衰えます。
外出自粛が進めば足だけでなく、心臓や肺の機能も弱くなるのです
一般的に二週間トレーニングを休むと身体の機能は衰え始めるといわれています。
普段、通勤や通学のために歩いていた方が外出を控えるととどうなるでしょう?
このまま自粛が長期間続くと外出が難しくなってしまうかもしれません。
そのために必要なのは積極的に呼吸筋を鍛えること。
次回の記事では外出自粛期間に身体を強くする「呼吸トレーニング」をご紹介します。