ホワイドボードの前に立つ男性

【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。

2021年より人生100年時代の健康体操「100トレ」の講習会を開催しています。

「100トレ」とは“人生100年時代の戦略的エクササイズプログラム”
超高齢化社会における最大の課題『100歳になっても自立している人生・生き方』は、専門的なトレーニングを行うことで実現可能です。

このセミナーでは

自分の脚で「歩く」
美味しく「食べる」
快適に「出す」

自立した生活に必要な3つの能力を鍛え、健康寿命を伸ばすトレーニングを紹介しています。

セミナーには遠くからお越しいただいた方もいるため、100トレに対する関心が高まっていることを実感します。

この記事では「超高齢化社会における専門的なトレーニングの必要性」を解説します。

 

介護予防=自ら動くこと

数名の人が中腰で両手を顔の横に上げている

現在の日本は4人に1人が65歳以上という超高齢社会です。
男性の平均寿命は81歳、女性は87歳で人生100年時代はもはや絵空事ではありません。

これは医療や栄養状態の改善によって日本国民の寿命が全体的に伸びたからでしょう。

その一方で「自立した状態」を示す健康寿命は男性が72歳、女性は74歳です。
つまり男性は平均約9年、女性は平均約13年、何かしらの介護が必要か寝たきりの状態であることを示しています。

平均寿命と健康寿命の差は縮まっていることが理想です。
というのは、不自由な状態が長いほどご本人や家族の負担が大きくなるからです。

何も対策を取らなければ状況が変わらないことは間違いありません。

では現在の状況を変えるにはどんな対策が必要なのでしょうか?

それは一人ひとりが介護予防のために自らの生活習慣を見直し行動を起こすことです。

特に必要なのはフィジカルトレーニング。
フィジカルトレーニングとは、ウォーミングアップ・筋力トレーニング・有酸素運動・ストレッチなど身体をゼロからプラスに変える専門的トレーニングのこと。

運動習慣のない人の筋力は20~30代をピーク徐々に低下し、一説には一年に1%づつ衰えるといわれています。
健康寿命を伸ばすには「介護予防のフィジカルトレーニング」が必要なのです。

実際の介護現場では「移動」「食事」「排泄」がどの程度自分でできるのかが介護の基準となっています。
つまり、「移動」「食事」「排泄」する力を鍛えることが「介護予防のフィジカルトレーニング」といえるでしょう。

 

「スクワット」だけでは歩けるようにならない

手を胸の前で組む中腰の男性

まずは移動=歩く力から考えていきます。

写真の男性のようにスクワットをされている方は多いと思いますが、普通のスクワットで向上できるのは主に【筋力】だけです。
筋力を向上させるだけでは移動に必要な体力を鍛えることができません。

歩くために必要な体力要素には

【筋力】・・・筋肉が伸び縮みする(筋収縮)力
【筋持久力】・・・筋収縮を維持、繰り返す能力
【心肺持久力】・・・心臓や肺のスタミナ
【瞬発力】・・・瞬間的に発揮できる手足のばねの力
【バランス能力】・・・転倒を予防する小脳の能力

の5つが必要です。

具体的な例で考えてみましょう。

階段を登る人

階段を上る時には

①脚を上げる(筋力)
②階段に足をかけて体を持ち上げる(瞬発力)
③片足立ちになる(バランス能力)
④①~③を繰り返す(筋持久力・心肺持久力)

という動作が繰り返されていて、これはもちろん歩くときも同じです。

何気ない日常動作でもこの5つの体力要素が常に使われています。

歩くためにはスクワット以外のトレーニングも必要であることを頭の中にいれておいてください。

 

「咀嚼筋」を鍛えても食べ物は飲み込めない

笑顔の女性の口元

皆さんは写真の女性のように口角を上げられるでしょうか?
口角を上げられない方は、この先の文章を読んでみてください。

口角を上げるのは表情筋というまさしく「表情をつくる」筋肉です。
皮膚や粘膜に付着しており、意識して動かすことが難しいのが特徴です。

口角が下がっている方はしわやたるみ、ほうれい線が目立つことがあります。

これは表情筋が衰えている証拠。
大切な人に自分の気持ちを伝えるために表情筋を意識的に鍛えることを始めましょう。

また、表情筋は「飲み込む」動作とも関係があり、舌骨筋と併せて鍛えることで誤嚥を防ぐことができます。

”食べる”と聞くと皆さんは咀嚼筋のことを思い浮かべるかもしれません。
しかし咀嚼筋は「食べ物を噛み砕く」筋肉であり、「食べ物を飲み込む」動作とはあまり関係がありません。

栄養を身体に取り込むためには「食べ物を飲み込む」力を鍛える必要があるのです。

口腔周囲の解剖図

舌骨筋とは甲状軟骨(喉仏)の上にある”舌骨”をコントロールする筋肉です。
食べ物を飲み込むときは舌骨筋が舌骨を上に引き上げることで、「食べ物を飲み込む」という動作を可能にしています。

ここで一つテストをしてみましょう。
唇と唇を強く合わせ鼻呼吸をしてみてください。

この時、皆さんの舌はどこにありますか?

舌が上顎についている方、舌骨筋の力は正常です。
一方、舌が上顎につかない場合それは舌骨筋が衰えているサイン。

口の力が弱くなると「表情をつくる」「食べ物を飲み込む」だけでなく、「免疫を保つ」「良質な睡眠をとる」ことが難しくなります。

口の機能を保つ=健康を保つと考え、表情筋・舌骨筋を鍛えるトレーニングを始めましょう!

 

「おなら」を我慢すると排泄のコントロールができるようになる

お腹を抱える人

運動すると尿が漏れる
トイレに間に合わない
いつの間にかシミがある
尿漏れパッドの臭いが気になる

このような経験は高齢者の方に多いと思いますが、実は30代からこのような悩みは徐々に表れます。

実は私も35歳くらいから残尿感が多くなりました。
夜間にトイレに行っても「何か出し切っていない」と感じることが増えたのです。

排泄と関わる筋肉はいわゆる体幹と呼ばれる部分ですが、特に骨盤底筋は深い関係があります。

 

骨盤底筋

骨盤底筋は3層からなる筋肉で

表層:尿道(肛門)を閉める
中層:臓器の下降を防ぐ
深層:骨盤底を引き上げる

役割があり他の筋肉同様、加齢とともに筋力は低下します。

骨盤底筋が衰えると

女性の場合、

腹圧性尿失禁(くしゃみや運動による)
臓器脱(子宮、膀胱、直腸などが会陰部から脱出)
ポッコリお腹(内臓下垂)

男性の場合、

残尿(頻尿)
排尿障害(出したいのに出せない)
ポッコリお腹(おへそ周り)
ED(勃起不全)

というトラブルを抱えるようになります。

実際、「日本の高齢者のうち約400万人が排泄に問題を抱えていて、そのうち尿失禁を自覚している女性は男性の倍以上である
という報告があることからも排泄の問題はもはや他人事ではありません。

骨盤底筋は“おなら”や“お小水”を我慢すると鍛えられますから、お手洗いに行かれる前後は「我慢する」ことを意識すると良いでしょう。

 

人生100年時代は「ラジオ体操」から「100トレ体操」へ

介護予防と聞くと「ラジオ体操」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

早朝から全国で野外教室が開催され、健康の為にラジオを聴きながら体操を行っている方も多いでしょう。
私の近所でも朝6時半から20~30人の方が集まって教室が開かれています。

ラジオ体操は「柔軟性の向上」「血流量の増加」に特徴があり、早朝の体操教室はこれからも続いてほしい素晴らしい文化です。

しかし残念ながらラジオ体操では「移動」「食事」「排泄」に必要な能力を維持・改善することができません。
下肢の筋肉や心臓・肺、表情筋・舌骨筋、骨盤底筋を鍛えることはできないのです。

介護予防にはそのための専門的なトレーニングが必要です。

人生100年時代は“100トレ”』を合言葉に ぜひご家族やお友達と100トレ体操を始めてみてください。

 

100トレセミナー日程
日時:2023年7月29日(土)14時~16時
場所:吉祥寺永谷シティプラザ会議室 SPACE 40(吉祥寺駅徒歩3分)
対象:50歳以上の方(50歳以下の方も参加できます)
定員:10名
参加費:2,000円(銀行振込・PayPal)
備考:フェイスタオル・飲み物をお持ちの上、運動しやすい恰好でご参加ください(タオルは運動で使用します)

※セミナーの様子は後日、HP・SNS等に掲載します
※当日37.5度以上の方、咳や体調不良の方は参加をご遠慮ください
※コロナウィルス感染症対策のため、延期または中止となる可能性がございます
その際は改めてこちらのページでお知らせします

詳細・お申し込みは
https://komori-yuji.com/100tore-seminar

 

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