緑色の非常口マーク


【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。

新年初日に発生した『能登半島地震』はその被害の大きさも含めて衝撃的な出来事でした。
連日報道されるニュース映像に心を痛めている方も多いと思います。

改めて被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
私も復興のためにできることを少しずつしていきます。

地震は対岸の火事ではありません。
普段から対策をしている方もそうでない方も、今回の地震は防災について考えるきっかけになったのではないでしょうか。

フィジカルトレーナーの立場としては『心身の備え』も考えていただきたいと思っています。

というのは平常時と災害時の生活は大きく変わるからです。

いざ地震が起きて避難する時は長距離歩くことも考えなければいけません。
荷物を持ちながら移動することで肉体には相当な負担がかかります。
そして長期間の避難生活は心身に予想以上のストレスを与えます。

災害時は物品や食料だけでなく、フィジカルやメンタルを備えておくことも重要です。

2回に分けて防災に必要なトレーニングを一緒に考えていきます。
まずはフィジカル面から。

 

災害から身を守る2つの体力

黄色い帽子をかぶった人の3種類のポーズ(頭を抱える 走る 地面に座る)

最初に『防災に必要な体力とは何か?』を一緒に考えていきます。

体力には運動をするための体力(行動体力)と健康に生活するための体力(防衛体力)の二種類があります

『行動体力』
身体を動かすために必要な基本的な体力のこと。
筋力・筋持久力・心肺持久力・瞬発力・柔軟性・バランス力・敏捷性(素早く動く能力)・巧緻性(体を巧みに動かす能力)があります。

『防衛体力』
健康に生活するための体力のこと。
生体には恒常性(内部環境を一定に維持しようとする能力:ホメオスタシス)、適応性(外部環境の変化に対し適応する能力)、免疫力(病原菌に対する抵抗力)が備わっていて
これらがあるおかげで外界からの様々なストレスに耐えて、健康を維持することができます。

行動体力のうち移動に必要な体力は、筋力・筋持久力・心肺持久力・瞬発力・バランス力です。
上から落ちてきたものを避ける時は敏捷性が重要です。
柔軟性があると疲労からの回復が早くなります。

避難中の生活はそれ以前と大きく異なるため、適応性の高さで心身へのストレス反応は大きく変わります。
また免疫力が高いと病気に強い身体をつくることができます。

体力は人が生きていくめの基本的な要素であり災害時も同じです。
二種類の体力を維持しておくことは身を守ることに繋がります。

 

災害避難に必要な「移動する能力」を考える

メガホンを持つ人と白い帽子をかぶって移動する大人と子供

それでは実際にどんな場面でどんな体力が必要なのでしょうか?

災害発生時に最初に行うことは自宅や職場からの避難です。

そのために必要なのは「移動する能力」。
“歩く”“走る”など、自分の足を使って移動する動作に共通しているのは、筋力・筋持久力・心肺持久力・瞬発力・バランス力です。

『筋力』とは筋肉が伸び縮みする(筋収縮)力。
もも裏の筋肉は膝を曲げる時に収縮し、伸ばす時に伸長しますが、この膝を曲げ伸ばしする力のことをいいます。

『筋持久力』は筋収縮を維持、繰り返す能力です。

身体を動かしているのは筋肉だけではありません。
心臓や肺が血液を送り出し、その中に含まれる酸素や栄養素が筋肉に取り込まれることで体は動きます。
心臓や肺もスタミナが必要で、これを『心肺持久力』といいます。

『瞬発力』とは瞬間的に発揮できる手足のばねの力のこと。
椅子から立ち上がる、ドアを押す、物を持ち上げるなど日常の何気ない動作でも必要な能力です。

そして小脳は『バランス能力』を調節する器官であり、転倒しないのは筋力だけでなく脳も関係しています。

 

階段を登る人

例えば階段を上る時は、

①脚を上げる(筋力)
②階段に足をかけて体を持ち上げる(瞬発力)
③片足立ちになる(バランス能力)
④①~③を繰り返す(筋持久力・心肺持久力)

という動作が行われており、これは歩くときも走る時も大きく変わりません。

であるならば、通常のスクワットは「移動する能力」を鍛えるトーニングとしては不十分です。
肩幅に足を開いて、膝の曲げ伸ばしを行う運動は筋力と筋持久力しか鍛えることができないからです。

では、どのようなトレーニングが防災のためのカラダづくりに向いているのでしょうか。

 

このトレーニングなら“防災のためのカラダづくり”ができる


通常のスクワットでは筋力と筋持久力しか鍛えられないので、“防災のためのカラダづくり”としては不十分。

ここでは心肺持久力・瞬発力・バランス能力など、それ以外の「移動する能力」を鍛えるトレーニングを紹介します。

A.バンザイスクワット

筋力・筋持久力だけでなく、心肺持久力を維持・向上させるスクワットです。

①椅子に浅く座り、足を肩幅に開く。
②開いた手を顔の横に置き、腰を浮かせる
③バンザイしなが立ち上がり、元の位置に戻る

この運動のポイントは膝と股関節を大きく動かすこと。

足を肩幅に広げ、関節の角度が90度になるまで膝を曲げてください。
椅子から立ち上がる時に上体はやや前傾しているとベストです。

前傾した状態から上体を起こしながら立ち上がると、腿だけでなくお尻の筋肉も沢山使うことができます。
併せて、腕を上げることで心肺持久力も鍛えることができます。

回数は10~20回が目安。
スクワットを毎日行っている方は腕の動作も加えましょう。

 

B.腕上げ一本立ち

瞬発力・バランス能力を鍛えるトレーニングです。
この運動では椅子を使用します。

①椅子の背面側に立ち、右手で椅子の背もたれに掴まる
②左足を一歩前に出して腰を落とす
③左足と左手を同時に持ち上げ、右足で片足立ちになる
④片足立ちのまま5秒キープし、元の位置に戻る

この運動のポイントは体重移動です。
最初の時点で左足:右足の体重のかけ方は7:3が理想です。

右足で片足立ちになる時は一気に体重を載せ変えてください。

回数は10回が目安。
終わったら左右の足を入れかえて行います。

 


C.ペットボトルタッチ

くわえて行っていただきたいのは『敏捷性』を鍛えるトレーニング
災害時は上から落ちてきたものを避けたり、躓いたときに手をつくなど、素早く反応する能力も必要です。

A.Bができた方は、このトレーニングにもチャレンジしてください。

①2m幅で両端にペットボトルを置き、真ん中に立つ。
②腰を落としながら右に移動。ペットボトルにタッチする
③そのまま左に移動し、ペットボトルにタッチする
④②③を繰り返す

時間は10~20秒が目安です。
できるだけ左右に素早く動いてください。

3つとも10秒~1分ほどで終わるので、体力に自信がない方も始めやすいと思います。
しかし日常生活よりも高い負荷を加えなければ身体は強くなりません。

今回紹介したトレーニングができる方はセット数を増やしましょう。
“防災のためのカラダづくり”を始めたい方は最大5セットまで増やしてください。

次回は災害時におけるストレスとの向き合い方、その対処法を紹介します。

防災に必要なトレーニングを考える(メンタル編)

 

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