【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。
「よく笑う人は長生きする」という考えは正しいようです。
ジャーナリスト・作家のノーマン・カズンズさんは、49歳の時に難病「硬直性脊椎炎」を患い、独自の回復プログラムで治癒しました。
それはTVバラエティー番組や漫画・映画を見ることによって自然に笑ってしまう環境を作る治療法でした。
その後、心臓病にも見舞われますが同じ治療法で見事に退院。
85歳で亡くなりますが、それは最初に心臓病と診断されてから36年たった年でした。
同じ試みは医療側も取り組んでいます。
医師のパッチ・アダムスさんは、ピエロの格好で人々を楽しませる活動を始め、臨床道化師という職業を確立しました。
その活動は映画にもなっています。
健康面で大きな効果がある「笑い」という健康習慣。
生理学や解剖学の面からそのメカニズムを紐解いていきます。
「笑い」は薬より免疫力をあげる!?
皆さんの周りにいつも笑顔でニコニコしている人はいないでしょうか?
私の知人の80歳の男性は、よく喋り、よく笑い、時にはうっおしく感じるくらい(笑)明るく元気な人です。
とある飲食店で知り合ってから10年以上になりますが、風邪を引いたり、体調を崩したという話を聞いたことがありません。
「笑う門には福来る」という諺がありますが、実際よく笑う人は免疫力が高いことが分かっています。
笑いと免疫力の関係を調べたある研究によると、寄席を見に来たお客様のNK細胞(ナチュラルキラー細胞、がんと闘う免疫細胞の一種)の活性は大笑いをした後のほうがはるかに高くなっていました。
また別の研究においては、お笑いを見る前と比較してNK細胞の活性の全体の平均値が35%~45%アップしており、中には50%近くアップしている人もいました。
薬剤を使った場合効果が出るまで3日ほどかかるのに対して、「笑い」は短時間で免疫系の機能を向上させることがわかっています。
一方、ストレスフルな生活や抑うつ状態は免疫力を低下させます。
聖マリアンナ医科大学で行われた実験によると、卒業試験前の10人の医学部生のNK細胞の活性は全員低下しており、試験後には8人が上昇していました。
上昇しなかった2人は試験の成績が芳しくなかったためであり、普段から「前向き」「楽しく」「楽」に生きることは健康長寿と深く関連していることが分かります。
「笑い」で生活習慣病は予防できるのか?
「笑い」が免疫力を向上させることがわかったところで、一つ疑問が出てきます。
「笑い」で生活習慣病を予防することは出来るのでしょうか。
この疑問の答えとなるのが内分泌系の反応です。
笑うとどのような物質が体内で分泌されるのか調べてみました。
「ワハハ」と笑うと『プロスタグランジン』が分泌されます。
これは気管支の末端にある肺胞から分泌される物質で、血管を拡張させて血圧を下げる効果があります。
腹直筋や腹横筋を使う「腹式呼吸」を繰り返すことで分泌されますが、笑う時も同じく下腹部に力が入るため同じ効果があると考えられています。
また『プロスタグランジン』は、血小板の凝集を抑え、コレステロールが血管に付くのを防ぎます。
これらの相乗効果で脳梗塞や心筋梗塞など深刻な病気を予防できる可能性があります。
そして血糖値の上昇を抑える効果が期待できるのも「笑い」の特徴です。
これは、糖尿病患者において高い数値を示す血中プロレニン濃度やプロレニン受容体遺伝子の発現量を低減させたことから明らかになりました。
病気になって大きなストレスを抱えると、血糖値を上昇させるコルチゾールが分泌されます。
繰り返し笑うことでリラックスできて、血糖値の上昇が抑えられるのでしょう。
「笑い」はこころの病気にも効果がある
「笑い」が血圧や糖尿病の改善に有効であることが分かりましたが、三大疾病の一つである『がん』についてはどうでしょうか。
健康な人でも1日に3,000個から5,000個のがん細胞が発生しているといわれています。
しかし『がん』を発症せずに生活できているのは、体内にある50億個のNK細胞ががん細胞を破壊してくれているからです。
先ほど寄席を見に来たお客様のNK細胞が活性化していたこと。
笑うことで免疫系の機能が短時間で向上したことをお伝えしました。
以上を踏まえると、ノーマン・カズンズさんをはじめ難病を克服できた人は、笑うことで免疫力を向上させていたと考えられます。
心の病気にも目を向けてみましょう。
笑うことで副交感神経が優位になり、精神を安定させる脳内の神経伝達物質『セロトニン』が分泌されます。
この『セロトニン』は、分泌量が低下すると不安やうつ・パニック障害などを引き起こすといわれています。
また、笑うことによって副腎皮質から分泌されるストレスホルモン『コルチゾール』の分泌量は減少します。
「笑い」は心の安定やストレス解消、うつの予防にも効果があると考えて間違いないでしょう。
表情筋を鍛えると「笑い」の健康効果をもっと高められる
ここまでは「笑い」が免疫力を高め、生活習慣病予防・改善の観点からも意味があることをお伝えしました。
ここでは運動の専門家らしく「笑い」の効果を高めるエクササイズを紹介します。
免疫系の機能を高めるには、口を閉じて鼻呼吸ができるようになることも大切です。
のどには「扁桃(へんとう)」呼ばれるリンパ組織がありますが、ウイルスや細菌などが身体に侵入しないようにする役割を担っています。
そしてこの扁桃の機能を維持するにはだ液が欠かせません。
だ液は悪い細菌の増殖を抑え、のどの粘膜の保護・修復を行っています。
だ液を分泌するには口を閉じる必要があり、唇と唇を合わせて鼻呼吸を続けていると次第に口の中に一杯になります。
もっとだ液の分泌量を増やしたい方は「口トレ」にチャレンジしましょう。
動画では、口まわりの筋肉『表情筋』を鍛えて免疫の機能を高める方法を紹介しています。
①唇と唇を強くあわせて1分間キープ
②口の中に空気をためて左右前後に動かす
③口の中に空気をためて一周させる
表情筋を鍛えると口角が上がり、笑顔が作りやすくなります。
微笑む程度でも病気への抵抗力は高くなりますので、この動画を見た後は鏡で自分の顔を見ながら実践してみてください。
まずは毎日5~10回。
慣れてきたら1日に2~8セット繰り返しましょう。
健康の秘訣は“日々を楽しむ”こと
今回は「笑い」の健康効果を考えてきました。
「笑う」ことで免疫機能が活性化し、血圧・血糖値が下がり、がん細胞の増殖が抑えられること。
うつ・パニック障害など心の健康にも効果があり、「笑う門には福来る」という言葉が医学的にも証明されていることが分かりました。
とはいえ「笑い」のみですべてを解決できる訳ではありません。
健康な身体を維持するには、運動・睡眠・食事の3つの生活習慣が重要です。
ジョギング・ランニングのような「ややきつい」運動を習慣化すると血中の免疫細胞を増やせることが分かっています。『適度に運動習慣がある高齢の女性は風邪をひきにくかった』という研究結果があることからも「運動」が免疫システムに良い影響があるのは間違いありません。
また睡眠の質は、細菌やウイルスなどの異物を排除する『抗体』をつくることと関係しています。
朝の太陽の光とともに目覚めて日中活動し、夜暗くなったら眠りにつく。
この体内リズムを維持することで免疫機能を高められるといえるでしょう
そして、食事をバランスよく摂ることも健康な状態を保つ秘訣です。
免疫機能を維持するために「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」の五大栄養素をしっかり摂るようにしてください。
健康目的で「笑い」を利用するなら補助的に留めるのが賢い方法です。
『日々の生活を楽しみながら1日1日を大切に過ごす』
これが健康に生きるために一番必要なことなのかもしれません。
参考文献
健康長寿ネット『笑いと健康』
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