【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。
コロナウィルスの感染が拡大してからご自宅でトレーニングに取り組む方が増えました。
いわゆる『宅トレ』と呼ばれる方法は、基本的にジムにあるような専門の器具を使いません。
軽いダンベルを使ったり、自体重を使って筋肉や心臓に負荷をかけるトレーニングになります。
最近は『宅トレ』を紹介する動画が増えたことで、それらを見ながらご自宅でカラダを動かす方も多くなりました。
しかし中には「動画では続かない」という理由で個別指導を申し込まれる方がいます。
お話を伺うと「この先何をすればいいかわからないから続かない」とのことでした。
今やっているトレーニングは正しい方法なのか?
私のカラダづくりに必要なトレーニングは何か?
この先は何をすればいいのか?
このような理由でトレーニング迷子になっている方は多い印象です。
しかしもちろん『宅トレ』でもカラダづくりはできます。
この記事では、自宅でトレーニングを続けながら成果をだす“考え方”を紹介します。
今現在『宅トレ』中で、方向性に迷っている方はぜひお読みください。
カラダづくりで成果を出す『トレーニングの原則』
私達運動指導者は専門家として現場に立つ前に『トレーニングの原則』を学びます。
これは安全で効果的な運動処方を行う際に欠かせない考え方で、「数学の計算式」と同じくらい厳密なルールです。
その中には「ある程度高い負荷を身体に与えないと運動の効果は得られない」という『過負荷の原則』、「体力の向上に伴って徐々に負荷を増やさないと運動の効果は得られない」という『漸進性の原則』の2つがあります。
運動初心者の方がトレーニングを始めると、2~4週間くらいでその運動を以前より楽に行えるようになります。
これは身体がトレーニングの負荷に適応したからで、筋力や心肺持久力など体力が向上している証(あかし)です。
しかし、上述の通り『漸進性の原則』に則って徐々に負荷を増やしていかないと最終的な成果を出せません。
例えば「スクワット10回」行うのが限界だった方が1カ月間トレーニングを続けて楽にこなせるようになると、もはや「スクワット10回」は“過負荷”な筋トレではありません。
すでに通常の負荷になってしまっています。
もちろんそのまま「スクワット10回」を続けても体力は向上しません。
カラダづくりで成果を出すには、“漸進的”にトレーニングの負荷を増やし、それが身体にとって“過負荷”であることが必要です。
『漸進性・過負荷な宅トレ』って?
では漸進的・過負荷なトレーニングを自宅で実践するにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは筋力トレーニングの負荷を上げる方法を7つ紹介します。
①重量を増やす
②回数を増やす
③セット数を増やす
④セット間の休憩を短くする
⑤頻度を増やす
⑥難易度を上げる
⑦可動域を広げる
①重量を増やす
ダンベルやバーベルを使う最もベーシックな方法です。
負荷の変化が数字でわかるので調整しやすいことが特徴です。
自宅で行う場合はマットなど安全面への配慮が必要で、ある程度スペースを確保しないと実践できません。
②回数を増やす
1セットあたりの回数を増やしてもカラダへの負荷を上げることができます。
ですが、トレーニングの時間が限られている場合はあまりお勧めできません。
③セット数を増やす
セット数を増やすこともトレーニングを過負荷にする方法の一つです。
②と同じくトレーニングの時間が限られていると△
④セット間の休憩を短くする
セット間の休憩を短くしてもトレーニングの負荷を上げられます。
ただしこの方法は息が上がりすぎてしまい、途中で筋トレが続けられなくなることがあります。
とくに心肺持久力を上げたい場合を除いては避けた方が良いでしょう。
⑤頻度を増やす
トレーニングに慣れてきたら頻度を増やすことをオススメします。
週一回 → 週二回など動く時間を増やすことも過負荷にする方法です。
仕事や家事など時間の調整が必要な点はやや面倒かもしれません。
⑥難易度を上げる
トレーニングの内容を難しくすることです。
例えば『腕立て伏せ』ならつま先の位置を狭めたり、掌を重ねたまま肘を曲げたりすることで難易度が上がり、過負荷にすることができます。
⑦可動域を広げる
関節の可動域を広げてトレーニングをするとよりたくさんの筋繊維が動員され、身体への負荷を上げることができます。
この先は⑦可動域を広げるに焦点を当てます。
専門の器具を使わない『宅トレ』初心者向きの方法です。
可動域を広げて筋力トレーニングを行うには?
可動域を広げた筋トレの例として「ハーフスクワット(画像左)」→「フルスクワット(画像右)」があり、実際に行うとお尻を床に近づける「フルスクワット」の方がキツイことがお分かりいただけると思います。
これは膝を深く曲げることでよりたくさんの筋肉が使われるからです。
このように関節可動域を徐々に広げて筋トレをするなら『ベンチマーク』をつけましょう。
『ベンチマーク』とは「指標」や「基準」という意味です。
高低差や建築物の高さを測る際の基準点を“ベンチマーク”と呼ぶようになったのが由来で、この言葉は経営やマーケティング、IT などビジネス分野全般で使われています。
筋トレにおいては身体の部位に『ベンチマーク』を設け、その位置を変化させていきます。
例えば、ベンチマーク①膝 → ベンチマーク②脛 → ベンチマーク③踝(くるぶし)など、基準点の位置を徐々に変化させながら運動することでトレーニングの負荷を漸進的に向上させることができます。
実践『漸進性・過負荷な宅トレ』!
今回はスクワットの負荷を漸進的に向上させていく方法を紹介します。
動画では5回ずつ行っていますが回数は10~20回が目安です。
①ベンチマーク「膝」
手で膝をタッチしながらスクワットすることで腿の前の筋肉「大腿四頭筋」に刺激が入ります。
②ベンチマーク「脛」
①の方法で20回以上できる方は手で脛を触りましょう。
腿と床が平行になるくらいまで膝を曲げることで、「大腿四頭筋」をより沢山使うことができます。
③ベンチマーク「踝(くるぶし)」
②の方法で20回以上できる方は手で踝を触りましょう。
膝を90度より深く曲げるとお尻の筋肉「大殿筋」にも刺激が入ります。
ただし膝にもやや負担がかかるので、もともと膝に傷害歴がある方は事前にお医者様とご相談ください。
キツイ「腕立て伏せ」も膝をつけば楽に
番外編としてトレーニングの負荷の下げ方も紹介します。
スクワットと同じくらい『宅トレ』でポピュラーなのが「腕立て伏せ」です。
上半身全体の筋力が向上でき、肩こりの予防にもなるので私もオススメをしています。
しかし腕二本で身体を支えながら肘を曲げる動作はかなりハードで、挫折した経験がある人は多いのではないでしょうか。
通常の「腕立て伏せ」がキツイ場合は膝をついて負荷を下げましょう。
筋トレのような関節運動で発揮する力のことを「関節モーメント」といいます。
関節モーメント=筋力×レバーアーム(支点と作用点の距離)で、支点から作用点までの距離が近いと関節モーメントを小さくしてトレーニングの負荷を下げることができます。
キツイ「腕立て伏せ」の負荷を下げる方法を動画でご確認ください。
『宅トレ』で筋肉をつける方法をご案内しています
自宅でのトレーニングでもカラダづくりは可能です。
動画のトレーニングが続かなかったのは、その内容が『トレーニングの原則』に則っていないからです。
繰り返しになりますが、身体に負荷がかかる内容でかつ徐々に負荷を増やさなければトレーニングの成果はでません。
『漸進性・過負荷の原則』を守りながら身体を鍛えれば、筋肉がついて目標のカラダに近づいていきます。
今トレーニング中の方もこれから始める方もこのルールを守って地道に続けてみてください。
“自分一人では運動が続かない”と感じている方にはパーソナルトレーニングがおすすめです。
『トレーニングの原則』には『個別性の原則』というものがあります。
これは「骨や関節、筋肉の付き方、体力など個人差を考慮しなければ運動の効果は得られない」というルールです。
その名称の通り、パーソナルトレーニングはオーダーメイドの個人セッションです。
お一人おひとりの目標や身体の特性、期間、さらには環境に合わせてトレーニング指導を行います。
吉祥寺・久我山のスタジオに加えてオンライントレーニングや出張による指導も可能です。
将来に向けて永く・真剣にトレーニングを続けたい方はぜひご検討ください。
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