片手を上げる男性高齢者と女性高齢者

【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。

最近では定年を過ぎ、65歳を過ぎても働き続ける方が多くいます。

働く理由を調査した結果によると60~64歳は「生活の糧を得るため」という回答が最も多くみられました。
確かに年金問題や物価の上昇などを考えると、働かざるを得ない現実的な問題もあるかと思います。

しかし65歳以上になると「健康にいいから」「社会参加のため」という理由が増えており、『仕事に生きる価値や意味を見出している」人の割合が多いことがわかります。

と考えると『働き続けることは寿命を伸ばすのではないか?』という感じがしてきます。

人は活力がなければ生きていけません。

そして、その源のひとつに「人との繋がり」があります。
働くことで繋がりを保ち続けているので「健康にいい」のかもしれませんね。

ということでこの記事では「コミュニケーション」にテーマを絞ってお話を続けていきたいと思います。

 

会話が減ると不健康になる

高齢の夫婦がとまどっている

繋がりを求める高齢者がいる一方で、一人暮らしや夫婦のみで暮らす方も増えています。

「繋がりと健康」について調査した内閣府の高齢社会白書(2016年)によると、65歳以上の方がいる世帯のうち単独世帯と夫婦のみの世帯は約6割となっており、今も増加傾向にあります。

誰かと一緒に暮らしている人はほぼ毎日会話の機会がありますが、ひとり暮らしの方はそれより少ないことが推測できます。

事実、夫婦や二世帯、三世帯で暮らしている人は会話が「ほとんど毎日」の人は91%以上ですが、一人暮らしでは54.3%と約半分に減少しています。

また、家族や友人との会話の頻度が「ほとんど毎日」の人の主観的な健康状態は「良い」が90.1%、「2~3日に1回」の人では「良い」の割合が5.2%ですので、健康状態が良いと感じている人のほとんどは毎日誰かしらと会話していることがわかります。

では、実際に会話が少ないと身体にどのような影響があるのでしょうか。

人との交流や外出が少ない高齢者は健康リスクが高いことが様々な研究で分かっています。

JAGES(Japan Gerontological Evaluation Study:日本老年学的評価研究)の報告によると、同居以外の他者との交流が週1回未満では健康リスクが高いことがわかりました。

月1~週1回未満の頻度では要介護2以上のリスクが1.4倍となり、認知症を発症するリスクが1.39倍になると言われています。
さらに月1回未満の頻度では、早期死亡が1.34倍みられやすいことが報告されています。

その他の研究でも同様の結果が見られており、コミュニケーションの減少が健康にも悪影響を与えていることは間違いありません。

 

「食べる」「話す」と健康になる

口腔の部位の名称が書かれている

それではなぜ人との交流が少ないと不健康になるのでしょうか?

人の身体で使わない器官は徐々にその機能が低下します。
「食べる」「話す」などコミュニケーションの機会が減った場合、その機能が衰えるのは『口腔』です。

『口腔』とは歯、口唇(こうしん)、頬部、口蓋(こうがい)、舌、唾液腺などから構成される器官。
食事や会話、さらには見た目などコミュニケーションに欠かすことができない重要な役割を担っています。

その機能が低下し食べ物が制限されると栄養バランスが悪くなります。

特に高齢者では肉・魚介類・野菜・果物といった食品が減少し、反対に炭水化物・穀類・菓子類・砂糖・塩などの調味料の割合が増えるという報告があり、決してその影響を軽視することはできません。

栄養バランスの低下は体重や筋量の減少、免疫や代謝機能の低下につながり、病気にかかりやすくなります。
日常的に口を使うことは全身の健康に繋がっているのです。

 

口腔機能を保つには表情筋を鍛える

普段、人と会う機会が少ない方は口のエクササイズを行いましょう。

口腔機能を保つ筋肉の一つに表情筋があります。

表情筋は皮膚の直下にある皮筋の総称。
骨と骨を繋ぐ骨格筋と異なり、骨と皮膚に繋がる特殊な形状をしています。

30種類以上の筋肉が口周りや頬、おでこを動かすことで様々な表情を作り出し、会話・咀嚼・飲み込み・呼吸など社会生活を営むために必要な機能を担っています。

その鍛え方は「口角を上げる」「口周りをマッサージする」「口を閉じて膨らませる」などとてもシンプルなもので、特に器具は必要ありません。

1分ほどの運動ですので運動習慣がない方でも気軽に取り組めます。
ぜひ下記の動画にチャレンジしてみてください。

 

人と会う機会を作りましょう

笑顔の女性と高齢者

最後に私からの提案です。

ご自宅で会話をすることが少ない方は、ぜひ外で人と会う機会をつくってください。

今必要なのは少しでもコミュニケーションの機会を増やすこと。
人と会話をするだけで硬くなっていた表情筋はほぐれてきます。

つまり、外出先で色々な方と話すだけで将来の健康に繋がるということですね。

お休みの日はぜひ友人やご家族と買い物、レジャーを楽しんでください。

感染症や熱中症対策もお忘れなく😉

 

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