力こぶと「Motivation」の文字

【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。

カラダづくりにおいて最も大切なのは”継続”です。

運動生理学・解剖学・力学

全てフィジカルトレーニングにおいて必要なスキルですが、それは「続ける」という行為があってのこと。
どんなに素晴らしいトレーニングでも、続かなければ成果を出すことができません。

では、確実に継続できる方法があるのかというと・・・
正直なところ、そのようなテクニックを私は知りません。

現場で指導していて感じるのは、お一人おひとりのやる気の上げ方は異なるということです。
Aさんにはこの方法、Bさんにはあのやり方、というふうに「やる気のオーダーメイド」が必要であることをこの数年で強く実感しました。

実際のところセッションの際は、このブログでも紹介した学問的なベースを組み合わせて指導しています。

ダイエットのやる気を高める公式は「なりたいカラダ×できそうな方法」

『モチベーションの発生』『期待理論』など、これまでも様々な考え方を紹介しましたが、今回は今までと別の視点から「運動のやる気の上げ方」を考えてみようと思います。

最後までお楽しみいただけると幸いです!

 

継続すればカラダづくりは成功する

筋トレを続ける男性

「努力をすれば成功につながる」という言葉を色々なところで聞きますが、私はそうは思いません。
それは成功した人が自身のことを振り返った時に「努力した」という過去があるから出てくる言葉です。

現実は必ずしもそうではなく、努力する方向が正しくても成果が出ないことはあります。

ただ、カラダづくりにおいては話は別です。
日常よりも負荷をかける「フィジカルトレーニング」を続けると身体には変化が現れます。

とくにトレーニング開始から1~2週間は成果が出やすい時期です。
ストレッチをするだけで筋肉痛になったり、スクワットが前回より10回以上できるようになったり、明らかに身体の変化を自覚できる出来事が起きます。

これは「神経筋促通」といい、トレーニングという新しい刺激に対し身体が適応しようとしている状態です。
トレーニングを始めて間もない頃に筋力がアップしたように感じることがありますが、それは神経系がその動きに適応したからであり、実際には向上しているわけではありません。

しかも「神経筋促通」が続くのは長くても1ヶ月ほどです。
それ以降は「徐々」にトレーニングの成果が出てきます。

やはり目標の身体を目指すためには、長期間にわたりトレーニングに取り組む必要があります。

ここで問題になるのが「やる気をどう維持するか?」です。
とくに思ったように成果が出ない時期にトレーニングを続けるのは困難なこと。

そこでポイントとなるのが「動機づけ」というキーワードです。

 

『動機づけ』は行動を起こすエネルギー

ガッツポーズをする女性

2026年の元日に見たのは、いつもと変わらず近所の公園で身体を動かす人達でした。

季節を問わず身体を動かす人は運動が「三度の飯より好き」なのだと思います。
一方、運動という言葉を聞くだけで嫌悪感を感じる人もいます。

そういう方にとって、私のような人間はできれば関わりたくない職業かもしれません。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」といったところでしょうか😅
(もちろん私のことが嫌いではないのはわかっています)

ところで、行動起こす際に発生する精神的なエネルギーを『動機づけ』といいます。

『動機づけ』が高ければ熱心にその行動に取り組み、低ければなかなか行動に移しません。
つまり運動が好きな人は「動機づけが高く」、嫌いな人は「動機づけが低い」といえます。

やる気満々の人は、どんなに忙しくても身体を動かす時間をつくります。
それこそ元旦に見かけたのは明らかに「動機づけが高い」人でした。

しかし「動機づけが低い」人は時間があっても運動することはありません。

ご家族や親しい友人に熱心に誘われても腰を上げることはないでしょう。
ときには反発することもあります。

このように『動機づけ』は生活習慣にも大きく影響します。

 

「やる気の出し方」は2種類ある

外発的動機と内発的動機

やる気のもとである『動機づけ』は2種類あります。

ひとつは『外発的動機』、もう一つは『内発的動機』です。

『外発的動機』とは外的な要因(報酬)をもとに行動を起こす動機づけです。
例えば「営業ノルマをクリアしたらインセンティブを受け取る」「テストで100点を取ったらおもちゃを買ってもらう」などはそれにあたります。

一方『内発的動機』とは内的な要因(報酬)にもとづく動機づけです。
「寝食を忘れて読書にふける」「お金に糸目をつけず車をカスタムする」などは行動自体が報酬になっています。

この2つの動機づけをもとに「なぜ運動をするのか」を考えてみましょう。

「自分の脚で一生歩けるようになる」「3か月で10㎏ダイエットする」というのは『外発的動機』にもとづきます。
というのは、理想の身体という外的な報酬を得るために運動をするからです。

「ランニングが好きだから出張先でも走る」「毎週日曜は友達とフットサルをする」のは『内発的動機』で、運動自体が報酬となっています。

『外発的動機』は外部からの刺激がなければ行動することがありませんが、『内発的動機』の刺激は自分の内側にあります。

また運動が【手段】である『外発的動機』と違い、『内発的動機』において運動は【目的】です。

性質が異なるこの2つの動機づけ、どちらの方が運動を続けるのに向いているのでしょうか?

 

『内発的動機』の方が運動は続く

ランニングを楽しむ男性

行動の要因となる刺激が外部からなのか?
それとも内部からなのか?

この違いは運動の継続に影響があります。

結論からお話しすると『内発的動機』の方が運動は続くといわれています。
というのは外からの報酬が必要なく、自分で報酬を作ることができるからです。

一方『外発的動機』で始めた場合、報酬が手に入ると運動をやめてしまうのはよくあることです。

このケースをよく見かけたのは、私が過去に所属していたパーソナルジムでした。
成果が出ても退会される方が多かったことを覚えています。

「短期で目標達成する」という『外発的動機』がコンセプトの施設だったため、退会者が多いのは仕方がないのかもしれません。

しかし、そのままトレーニングを継続した方もいました。
私の記憶にあるのは、マラソンにはまってしまった50代の男性です。

ダイエット目的でジムに入会されたその方は、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングに苦手意識があったので、ランニングをオススメしました。
最初は少し抵抗があったようですが、走り始めてしばらくすると成果を感じたようです。

運動量が増えれば体重も体脂肪も落ちてきます。
走れば走るほど成果が出るのでもっと走りたくなります。

だんだん走る距離が伸びて、最終的には海外でマラソン大会に参加するほどはまってしまいました。
その後ジムを退会されて、現在はお一人でランニングを続けています。

実はこの方の場合、途中から動機づけが『内発的動機』に変わっています。
ダイエットの【手段】だったランニングがいつの間にか【目的】になっていました。

「もっと長い距離を」「もっと早く」と思うほど走ることにはまってしまったのです。

 

運動が続くのは「楽しさ」より「やりがい」

ゴールを切る人型のピクトグラム

『内発的動機』では、行動に必要な精神エネルギーが内側から出ています。
行動それ自体が報酬なので、お金や名誉など外部からの報酬は必要ありません。

しかし、ここで気をつけたいのは『内発的動機』≠「楽しい」であるということです。

運動に楽しさは不可欠ですが、それだけでは続きません。
それ以外の要素も必要です。

例えば「走るのはとても苦しいけど、マラソンでゴールした時の感動は言葉では言い表せない」というのは、「楽しい」から走っているわけではないのがわかります。
これは極端な例ですが、凍傷で手足の指をなくした登山家がエベレストの登頂を目指すのも『内発的動機』がもとです。

ということは 『内発的動機』=達成感がある行動 といっても差し支えないでしょう。

みなさんも何か趣味をお持ちだと思いますが、好きなことは長続きしないでしょうか。
温泉巡りや切手収集のような「大変だけどやりがいがある」趣味は途中で中断しても長く続く傾向にあります。

 

「運動嫌い」でも「運動が続く」方法を紹介します

「運動嫌い」から「運動好き」へ

運動を続けるポイントは「達成感」「やりがい」であることがよくわかりました。

最後は「運動嫌い」でも「運動が続く」方法を紹介してこの文章を終えたいと思います。

もし皆さんがこれから運動を始めるなら「やってみたい」と思うスポーツを選んでください。

テニスにはテニスの、野球には野球の、レスリングにはレスリングの、そのスポーツ特有の技術や楽しみ方があります。
また、WHOは「毎日20分の中強度の有酸素運動(やや息が上がる運動)」を健康維持に推奨していますが、運動の種類を限定していません。

どんなスポーツ・エクササイズでも基本的には「身体にいい」と考えてください。

もちろん、自分に合っていないと感じたら他のスポーツに変えてもOK。
場合によっては自分で種目を作るのもいい方法だと思います。

最初から「やりがい」を見つけるのは大変ですが、打ち込めるものが見つかればそのまま続ければいいし、見つからなくても「身体を動かしているからOK」と捉え方を変えると運動は長続きします。

大切なのは「やってみる」ことで、今から始めても遅すぎることはありません。

皆さんがお住まいの地域には、体操教室やスポーツ教室・サークル、フィットネスクラブやパーソナルジムなど始めるための環境は揃っています。
あとは自分にピッタリの場所を探すだけ。

今から「健康のために」始めれば、春を迎えるころには「もっとやってみたい」に変わっているはずです😉

 

参考文献:新板運動指導の心理学 運動学習とモチベーションからの接近(大修館書店)