【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。
ブログでは「バランス良く食べることの大切さ」をたびたびお伝えしています。
「バランス良く食べる」とは、体に必要な栄養素を色々な食べ物から満遍なく摂ることです。
そもそも体に害のある食べ物はありません。
摂りすぎたり少なすぎると問題が起こるだけです。
つまり適量であればお菓子やお酒などの嗜好品を避ける必要はなく、楽しく食事を続けられます(疾患の治療のために食事制限がある場合はその指示に従ってください)。
とはいえ「バランス良く食べる」というのは曖昧な表現で、難しく感じた方は多いかもしれません。
反省の意味を込めて、
食べ物にはどのような栄養素があり体の中でどのように働いているのか?
健康のために「何を」「どれだけ」食べればいいのか?
を2回に分けてお伝えします。
・健康のために食生活を変えたいけど何をすればいいかわからない
・栄養素のことをもう少し詳しく勉強したい
という方はぜひ続きをお読みください。
まずは三大栄養素を抑えよう
『三大栄養素』とは人間のからだをつくりエネルギー源となる栄養素のこと。
ヒトが生命活動を営むために欠かせないタンパク質・糖質・脂質の3つを指します。
私達が呼吸をしたり、歩いたり、ものを持ち上げることができるのはこの3つの栄養素から身体活動に必要なエネルギー(カロリー)を得ているからです。
つまり食生活において最も重要なのは三大栄養素です。
ここから先はその特徴を紹介します。
筋肉・臓器・肌・髪・爪の材料『タンパク質』
タンパク質はヒトのカラダの重要な構成成分でアミノ酸が結合した化合物です。
ご存知の通り筋肉の材料となるほか臓器・肌・髪・爪などもタンパク質からつくられます。
また、アミノ酸の組み合わせや種類、量などの違いによって、ホルモン・代謝酵素・免疫物質など身体の中でさまざまな働き方をするのもタンパク質の特徴です。
ヒトのカラダを構成する20種類のアミノ酸のうち11種類はカラダの中で作り出すことができますが、残りの9種類(必須アミノ酸)はカラダの中で合成することができません。
カラダづくりではこの必須アミノ酸を食事から摂ることが重要です。
必須アミノ酸は肉・魚介類・卵・大豆製品・乳製品に多く含まれています。
一方、穀物・野菜に必須アミノ酸はあまり含まれていないので、筋肉量を増やす時は意識的に動物性・大豆食品を選ぶ必要があります。
タンパク質の量が気になる方は『アミノ酸スコア』を意識してください。
これは食品に含まれる必須アミノ酸の量を表した指標です。
スコアの数字が高い食べ物ほど筋肉づくりに役立ちます。
アミノ酸スコアの高い食べ物にはヨーグルト・牛肉・鶏肉・豚肉・あじ・いわし・カツオ・さけ・まぐろ・エビ・鶏卵などがあります。
体を動かすエネルギー源『糖質』
糖質とは体を動かす際のエネルギー源です。
体内で消化吸収されてブドウ糖となり、筋肉や肝臓に取り込まれます。
筋肉だけでなく脳のエネルギーでもあるため、 仕事や運動時の集中力の維持という面でも大切な栄養素です。
実は糖質=炭水化物ではありません。
炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものの名称で、炭水化物から食物繊維を除いた栄養素が糖質です。
体内に入った炭水化物は消化酵素の働きで糖質と食物繊維に分解されます。
さらに糖質は単糖類・二糖類・多糖類・糖アルコール・その他の糖質に分かれ、体内でエネルギー減として利用されます。
単糖類・二糖類は消化吸収が早く、その分血糖値も急激に上がりやすいという特徴があります。
一方、多糖類は消化吸収に時間がかかり、血糖値は比較的ゆっくりと上がっていきます。
急激な血糖値の上昇は肥満にも繋がりますので、食生活では多糖類を中心に糖質を取ることがおすすめです。
多糖類を多く含む食品には白米・パスタ・蕎麦、ジャガイモ・さつまいも、ミカン・リンゴ・バナナ、こんにゃく・寒天などがあります。
体の調子を整える『脂質』
脂質は糖質と同じ身体のエネルギー源です。
糖質やタンパク質の約2倍のエネルギーがあり、カロリー摂取において効率の良い栄養素といえます。
脂質の多くを占める中性脂肪は小腸で吸収された後、タンパク質と結合して肝臓や脂肪細胞に蓄積します。
エネルギー源としての出番は糖質を使い切った時です。
腹部や筋に蓄えられた中性細胞はグリセロールと脂肪酸に加水分解されます。
脂肪酸はタンパク質と結合して血液中に放出され、身体の各部位でエネルギーとして利用されます。
それ以外にホルモン・細胞膜・核膜を構成したり、臓器を保護したり、寒さから体を守る働きもあります。
摂りすぎは肥満の原因ですが、少なすぎても疲れやすくなったり体の調子が悪くなります。
ダイエット中の方は脂質を控える傾向にありますが 、体の調子を整えるためにも適度に摂ることは必要です。
脂肪酸の中でも不飽和脂肪酸はコレステロールを低下させる働きがあることが知られています。
植物や魚に多く含まれるので、健康数字が気になる方はひまわり油やオリーブオイル、まぐろ、サバ、サケなどを食事に取り入れると良いでしょう。
三大栄養素を抑えたらそれ以外にも目を向けて
今回の記事では、生命活動に欠かせない三大栄養素の働きとその特徴を紹介しました。
健康という面で考えるとどれも過不足なく食事から摂る必要があります。
しかし「何を」「どれだけ」食べればいいのか?という疑問にはまだお答えできていません。
その答えについては次回の記事でご紹介します。
タンパク質・糖質・脂質を食生活に摂り入れた方はそれ以外にも目を向けてみてください。
三大栄養素にミネラルとビタミン、水、食物繊維を加えたものを『七大栄養素』と言います。
三大栄養素に比べると優先順位は落ちますが、骨や歯の健康を維持したり、抵抗力を高めたり、腸内環境を整える大切な栄養素です。
その働きと特徴についても次回の記事で。