【吉祥寺・久我山】アサーティブフィットネス、パーソナルトレーナーの小森祐史です。
「糖尿病」は身近な生活習慣病の一つ。
血糖値(血液中に含まれるブドウ糖)が慢性的に高くなる病気で、重症化すると失明・腎不全・足の切断などの合併症や心筋梗塞や脳梗塞など深刻な病気を引き起こすことがあります。
パーソナルトレーニングでもよくご相談をいただく疾患であり、“潜在的な糖尿病の患者数は約1000万人超”といわれています。
症状の重さや患者数の多さを考えると決して甘く見てはいけません。
この記事では、もはや“国民病”といってもよい糖尿病に対する疑問に運動指導者の立場からお答えします。
よくある誤解を紐解いて疾患の改善を目指していきましょう!
※今回の記事は2型糖尿病の方向けに書いています。
糖尿病になるのは肥満の人?
みなさんの中には『糖尿病になるのは肥満の人』というイメージがあるかもしれません。
しかし、それは半分○で半分✕です。
必ずしも肥満の人が糖尿病になるわけではありません。
確かに肥満だと糖尿病になる確率は高くなります。
内臓脂肪は、血液中の糖質や脂質、あるいは血圧のコントロールなどに大きな影響を与えていることがわかっています。
内臓脂肪の量が通常であれば血糖をうまくコントロールできますが、逆に増えすぎると血糖値を上昇させる物質がインスリンの働きを悪くします。
つまり、メタボのように内臓脂肪がたまりすぎると糖尿病になる確率が高くなるということです。
一方、痩せすぎても糖尿病になる確率は高くなります。
筋肉はブドウ糖を貯蔵・消費する最大の臓器ですが、量が少なければその分燃費は悪くなります。
体重が軽くても筋肉量が少なければ、血糖をエネルギーとして消費できないため血糖値が高くなってしまうのです。
もともと男性より筋肉量が少ない女性、特に痩せている方は血糖値が上がりやすいことを覚えておいてください。
閉経後はさらに注意が必要です。
女性ホルモンの『エストロゲン』は血糖値の上昇を抑える働きをしていますが、閉経後は分泌量が減るため高血糖になりやすくなります。
痩せているからといって安心はしないこと。
大切なのは“筋肉量”です。
糖尿病の改善には運動が有効です
糖尿病の予防・改善には運動が有効です。
前述のとおり、運動で血糖をエネルギーとして消費することができるからです。
特に下半身は、血糖を多く消費する遅筋が集まっているため、脚を使った運動を行うと血糖値の上昇を抑えられます。
また、運動を継続することでインスリンの働きは良くなります。
血糖値が気になる・糖尿病を患っている方は、スクワットやフロントランジなどの下半身の筋力トレーニング。
またはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行うようにしましょう。
ここでは室内でできるトレーニングとして、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏が考案した「血糖値を下げるスクワット」を紹介します。
A~Eを足の向きを変えて行い1セット。
食後30~90分に2セット行うのがおすすめです。
A.ワイドスクワット
①両足を肩幅の2倍に広げます
②そのままお尻を落とす運動を10回
※腿の上に手を置くと比較的楽にできます
B.スプリットスクワット
①足を前後に開きます
②そのままお尻を落とす運動を10回
※きつい方は足幅を狭く、楽な方は足幅を広げましょう
C.ニーアップ
足を前後に開いたまま腿を持ちあげる運動を10回
※バランスを崩しそうな時は壁に手をつきましょう
D.ニーアップスプリットスクワット
①足を前後に開きます。
②一度沈んでから腿を持ち上げる運動を10回
※バランスを崩しそうな時は壁に手をつきましょう
E.ニータップワイドスクワット
①再び両足を肩幅の2倍に広げます
②片足ずつ持ち上げて膝をタッチ 20回
※きつい方は膝を曲げる角度を浅くしてください
糖尿病になると好きなものを食べられなくなる!?
糖尿病と診断された方は、生活習慣改善のための指導を受けることがあります。
皆さんが特に不安に思っていることは“食事”に関することではないでしょうか。
『糖尿病になると好きなものが食べられなくなる』というイメージをお持ちかもしれません。
しかし、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト(e-ヘルスネット)を見ると「糖尿病の食事療法は、正しい食習慣により過食を避け偏食せずに規則正しい食事をすることで、特別な食事をすることではありません」 と記載されています。
糖尿病になったからといって「美味しいものが食べられない」「お菓子が食べられない」 というわけではありません。
量を抑えてバランスの良い食事をすれば、好きなものを食べながら糖尿病の改善をしていくことができます。
私のおススメは「14品目法」と「一汁一菜」です。
「14品目法」は穀類、肉類、魚介類、豆・豆製品、卵、牛乳・乳製品、緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ類、海藻類、イモ類、果物、油脂類、嗜好品(お酒とお菓子)という14品目を1日に1回ずつ食べる方法です。
例外はご飯やパンなどの穀類。
穀類はエネルギーとなる糖質を含むので3食毎回食べてもOKです。
シンプルかつ身体に必要な栄養をまんべんなく摂れるので、筋肉がつき身体が引き締まります。
自炊が難しい1人暮らしの方は「一汁一菜」がおすすめです。
「一汁一菜」とは、主食(白米や玄米や雑穀米)に汁物(味噌汁など)と主菜(肉・魚などおかず)を一品ずつ添えた献立です。
器に普通盛りをすればバランスよく栄養が摂れ、食べ過ぎを防止することができます。
野菜やイモ、キノコなど副菜が入った具だくさんの味噌汁をつくり、ご飯と主菜を用意すれば栄養満点の食事に。
余った味噌汁汁は冷蔵庫で保存することができますので、お休みの日に作り置きしておくと良いでしょう。
糖尿病でも今までの生活を続けられます!
残念なことに糖尿病は完治する病気ではありませんが、血糖値をコントロールすることで今までの生活を続けることができます。
友達と楽しくお酒を飲んだり、ご夫婦で外食を楽しむことを諦める必要はありません。
糖尿病だからといって今までの生活を全てやめる必要はないのです。
今、皆さんに必要なのは生活習慣の改善です。
まずはお医者様に病気についてご相談ください。
食事は専門の管理栄養士の方と相談しましょう。
決して、好きな食べ物が食べられなくなるわけではありません。
量を適切に守れば、今まで通りの食事を続けることができます。
運動は私達パーソナルトレーナーにお任せください。
「何をすればいいかわからない」「運動が続かない」という人のために 、今の生活を楽しく続けられる運動をあなたにご案内します!
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